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コンサルタントコラム

ベレフェクト所属コンサルタントによるコラムです。

■女性らしさを活かした営業とは

太田彩子

労働力人口の減少にともない、中長期的な日本の経済発展および企業業績向上のためには
さらに女性を労働市場へ活用する必要性があります。
女性活用は社会的および経済的な見返りがある、ということは
前回のコラム「女性に投資することでリターンはあるのか」でも記したとおりです。


大手企業を先頭に企業内では女性活性プロジェクトが次々と立ち上がるようになりました。
女性プロジェクトに携わらせていただき、多く目にするのが
「女性らしさを活かした働きかた」という特徴です。
ではその「女性らしさ」とはどのようなものなのでしょうか?


拙著「売れる女性の営業力」では女性の生来持つ強みを6つ挙げております。
(共感性、協調性、親和性、勤勉性、繊細性、母性)
その中でも今回は「共感性」を活かした営業手法に触れてみたいと思います。


マズロー5段階欲求説のひとつ「社会的欲求」(人や社会と繋がっていたい)にもあるように、
人は元来、なにか良い話、ものに共感したときに誰かと分かち合いたい、
人と共感・共振したいという性質があるといわれています。
現にマーケティングの世界でも「2010年はソーシャルメディアマーケティング元年」とよく耳にします。
「人と人をつなぐ絆=共感」から芽生えた新しいメディアツールが台等してきました。
代表例が今世の中を賑わしているツイッター、フェースブック、ミクシィ内アプリなどです。
企業側からの一方的な情報発信に踊らされなくなった消費者は、
人と情報交換したり意見を交わし合うことで2次情報、3次情報を獲得して、
周囲と共感し関係性を深めている訳です。
(実際に、私も鳩山首相内閣辞任のニュースはツイッターを通じて3次情報として入手しました)


話を戻すと、女性らしさを活かした営業手法はこの「共感力」にこそ答えがあると信じます。
顧客との良好な関係性を築こうとする努力、すぐに商品を売り込まずに相手の話を親身に受け止めて聴く姿勢。
これはもちろん男性の方も実践しているでしょうが、女性はより共感性を発揮する傾向が高いのです。
女性が顧客と良好な関係を築こうとすることを第一に考えていることを証明すべく
以下の実験を試したことがあります。


弊社が担当する企業内営業チーム男女10名にテレアポを実施してもらい、テレアポトークにおける
会話内容、会話時間、アポ獲得結果を検証してみました。
すると、商品を売り込むトークからずれる「寄り道トーク」(余談、雑談)に、
男性営業に比べて女性営業は何と2倍も費やしていることが判明しました。
そしてアポイント獲得結果も、女性営業はおおよそ2倍多く男性営業よりもアポが取れていたのです。
(もちろん営業マンの個人差もあるでしょうが)


つまり、女性は仕事の話をすぐに持ちだすことなく、まずは「顧客との親和」を大切にし
共感という絆を構築することに気を使っているのです。
実際にトップアポインターの女性のテレアポを観察していると、
「自分が喋るよりも相手の話をよく聴いている」「よく豊富な相づちをうち、相手が喋りやすくしている」。
一方で、男性に多く見受けられたトークは「余談は少なく、商品クロージングをしている」トークでした。


上記の実験は単なる一例ですが、結果として現れたのは、女性のほうがより顧客に共感したからこそ
顧客側も心を開いて双方にゆるい共感性が生まれたのです。そして、アポ誘導に成功したのです。


この結果から、共感力は営業の武器の一つになることが判明しました。
かつ、比較的女性のほうが共感力が高いということがアポイント結果からも導き出せたのです。


さらに、脳科学的にも裏付けられることがあります。
「共感する女脳、システム化する男脳」(サイモン・バロン=コーエン著)によると、
共感傾向の度合を測定する「共感指数」を実験したところ、
女性のほうが男性より共感度が平均的に高いということが結論づけらました。
そもそも男女間では体の構造も大きく異なり行動上の違いもある以上、脳も異なるはずである、
という考え方なのです。


営業活動の全体プロセスを共感というキーワードで考えてみる。
顧客ひとつひとつの会話に共感するリスニング、共感できるストーリーを提案してみる。
これからのセールスは顧客との伴走型であり、ロジカルのみならずエモーショナルにコミュニケーションをはかる
『共感型セールス』に移行していくと信じてやみません。



※この記事の内容は執筆当時(2010年6月)当時のものです

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