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コンサルタントコラム

ベレフェクト所属コンサルタントによるコラムです。

■女性に投資することでリターンはあるのか?

太田彩子

女性営業活性を生業としていると、日本中の明るく前向きな女性に多く出逢えることもこの仕事の醍醐味。
コンサルティング現場や研修にて、営業ウーマンの感動すら覚えるくらいの貪欲な学習意欲を感じながら、
「太田さん、絶対に私は今の組織で1位になります!」と勇ましい意志を掲げるその強さに
私はいつも感無量になってしまいます。



2009年「少子化社会白書」では、「出生数の減少による若年労働力の減少などで、
労働力人口は高齢化しながら減少していくことが予想され、経済成長にマイナスの影響を及ぼす可能性がある」
との指摘がありました。
中長期的な経済成長促進のためには働く意欲を持つすべての若者、高齢者、障害者、
そして女性を労働市場へ積極参加させることを余儀なくされているのです。



しかしながら、出産を機に仕事を辞めてしまう女性が後を絶たないのも現実である日本。
日本女性の年齢別労働力率のグラフは典型的な「M字カーブ」を描いており、女性活用が先駆的な
スウェーデンやフランス等と比較してもこの日本女性の退職傾向は顕著に見られます。
出産を機に女性が退職してしまうという問題は、現実問題として弊社がかかわっている多くの企業内でも
発生しています。
「優秀な女性営業を失ってしまうことはこのうえなく残念」と会社側としては大きな痛手と化している訳なのです。



企業が女性を活用し、企業内でも女性の役割が拡大されれば企業にとっても好影響を及ぼします。。
多様な価値観、スキル、経験が企業にも活かされ、新たなマーケット開拓や有望な次世代のリーダー育成が
可能になるのです。



しかしながら、女性活用がなかなか奏功しなかったり、女性に投資する価値やリターンは本当に存在するのか?
と疑問視する声もあるでしょう。



女性に投資すると大きな社会的および経済的な見返りが得られることが調査を通じて判明、
世界の女性10,000人に対しての投資プログラムが実際に実施されている事例があります。
米ゴールドマン・サックスの「1万人の女性」というグローバルな取り組みです。



ゴールドマン・サックスは「女性は天の半分を支えている」との調査をもとに、途上国、新興国の経済発展には女性の教育が不可欠であると、何と1億米ドルを投じた世界的なプロジェクトをスタートさせました。

同社によれば、
「BRICsその他の主要新興国において、雇用における男女格差を縮小すれば、2020 年までに1人あたり収入が
最大10−14%上昇すると予測している。これらの諸国で、より女性に対する高度な高等教育が徹底されれば、
過去10 年で年率0.2%増だったGDP成長率はより向上したであろうと結論づけている。」
と記しています。
(出典元:ゴールドマンサックス「10,000 Women」プログラムを発足 より)



実際にBRICsの女性は、自分の地域、国、世界に対して楽観的である、という調査が判明しています。
「今から5年後、世界やあなたの国はどのように変わっていると思いますか?」の質問に対して、
中国女性の82%、インド女性の62%が「今よりよくなっている」と回答した結果が出ています。
(ボストン・コンサルティンググループ調べ「ウーマン・エコノミー」ダイヤモンド社より)
これは、新興国の女性は将来を明るくとらえ、自らの活躍や働く意欲を大いに持っていることの
表れでもあるのです。
つまり、女性のみなぎる意欲にプラスしてビジネススキル、ビジネスセンスを投入すれば
さらなる経済社会成長が促進されるだろうという狙いがここにあるのです。
元々意欲ある女性に投資をすることで大きなリターンが得られるのです。



日本においても、働くことに意欲的な女性は増加傾向にあります。
2009年内閣府「男女共同参画社会に関する世論調査」によれば、
「子どもができてもずっと働き続けたい」と答える人が男女ともにトップで4割を超えてくるようになりました。
つまり、日本の女性側でも「環境さえ整えれば、働き続けたい」と意欲的な背景がここにあるのです。



優秀な女性が増える一方で、まだまだ託児所不足などの社会的インフラ不足、企業内での活用ノウハウや
整備不足など問題は多々残るでしょう。
しかしながら女性躍進が業績貢献のひとつの重要位置を占める将来、
何かひとつでも一歩をはじめることが大切であると信じてやみません。



参考:
Goldman Sachs 「10,000 Women」 
「ウーマン・エコノミー」ダイヤモンド社

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